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①人間が描けていない
「私」をはじめ登場人物がどんな人間かよく分からない
②人間関係が描けていない
「私」と母や「私」と兄の関係などがよく分からない
③描写が少ない
単調
④タイトル
内容とタイトルの対応関係が陳腐
まず①②から。
語り手の「私」が母を恨んでいるような書き方ですが、その理由が分かりません。
「私」は左腕に障害を持っているとの設定ですが、どんな仕事をして生活しているのでしょう?
「私」は母と一緒に住んで母を扶養していたこと、「私」が死んだときに備え子に相続の話をしていることから、「私」には経済力があるのでしょうか??
経済力があるなら、一緒に住まなくても母を扶養できたはずです。経済力がなくても、兄夫婦に母を任せるなどできたはずです。
恨んでいるのにそうしないところに「私」の母への複雑な感情があるなら、そこを描くべきだし、描かないと何が何だか分かりません。
兄夫婦がともに仕事をもっているから「私」が母の面倒を見ているなら、「私」は定職に就いていない印象です。定職に就いていて仕事で忙しいなら、一番恨み言を言いたいのは、元は他人の母の面倒を見ることになる「私」の妻でしょう。
4歳の桃という子が歌う歌を「私」は知らなかったようですが、なぜですか? 日頃「私」は子どもと接していないのでしょうか?
仕事で忙しい? それとも…
子に自分が死んだときに備え相続の話をするのに、なぜ母が死んで「私」が財産を相続したのか書かないのでしょう? ひょっとすると「やっと母が亡くなった」というのは「やっと母の財産を相続できる」という意味ですか?
じつは「私」が母を扶養していたのではなく、母に「私」が扶養されていた、つまりは、母にパラサイトしていたのかもしれませんね。
この作品は何回読んでも「私」とその周辺の人間との関係がどうなっているのかよく分かりません。「私」がどういう人間なのかもよく分かりませんでした。
なんとなく独りよがりな感じはしますが。
③④は後ほど。
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